最近ディズニープラスで映画「エイリアン」シリーズを観ています！
他の作業中にBGM感覚でかけているのでしっかり映像を追えている訳ではないのですが、観ていてエイリアンがかわいそうになってきました。
シリーズ内におけるエイリアンの行動は全てエイリアン自身の本能による行為のように思います。やっていることと言えば繁殖や捕食、自分の生活圏に侵入した他の生物に対する攻撃であり、たまたまその全ての行為において人間や犬、プレデターといった他の生物の犠牲を必要とするためにみんなから迷惑がられ酷い言われようをされています。
卵を産む個体であるエイリアンクイーンに至っては、卵を燃やされ子供を殺され、捕獲され実験されるなど散々な目に遭っていて正直かわいそうです。「キィェーーー!!!!」みたいな叫び声を上げるんですが、すごく悲しく聞こえます。
クイーンが自らやっていることといえば、ただひたすらに卵を産むか、自分や自分が産んだ存在を酷い目に遭わせた他の生物に攻撃してるくらいなんですよ。
エイリアンが一番迷惑なのは繁殖の過程として他の生物に寄生し、必然的に寄生先の個体の命を奪ってしまうことだと思いますが、これは元々そういう生態だからそうしているだけでありエイリアン自身が好き好んで自ら選んだ方法ではありません。エイリアンがいる地はいつも地球ほどには生物多様性に富んでいないところばかりなので、自分で繁殖して大人になれるならその方が便利かと思います。
そもそもエイリアンは他の生物がいなければ大人になれない上に、毎回大抵他の生物が沢山いる地球には来られずによく分からない星で頑張って生きているので、みんながそっとしておけば勝手に絶滅してしまう可能性が高いです。
エイリアンの犠牲になるのを避けられないのはたまたまその星に行ってしまった場合くらいですが、ひとりでも生存者が地球に帰ってこれて報告してくれたのならもうその星には行かないようにしたらいいですし、ある宇宙船が特定の星に行ったのに誰一人として帰ってこなかったとしたらそれはそれでやっぱりその星には行かないようにしたらいいと思います。
じゃあなんでいくつも映画を作れるくらい何度もエイリアンが大暴れする機会を得ているのかというと、人間がエイリアンを兵器として利用するためやお金儲けのためにちょっかいをかけたり、プレデターが種族の通過儀礼のためにプレデターを利用していたりするためなんですよね。
エイリアン自体は知能が高いわけではないため、戦闘中に学習することはありますが文明や技術を持てるほどの能力はおそらくありません。みんながほっとけばどこかの星でエイリアンざ生物を殺し尽くした時点で繁殖が止まるのに、人間やプレデターがちょくちょく利用しようとするからトラブルになるというのがシリーズの主な流れになっているように思います。
エイリアンが人間を殺してしまうのは、人間が豚や鶏や牛を殺して食べるのとさほど変わらないと思います。
人間の場合は知能と技術力があるために他の食品で代替して生きることも可能ですが、痩せこけた土地で必死に生きるエイリアンにはそんなことはできませんし繁殖のために他の個体の体に寄生し突き破る過程はどうしてもスキップできません。
人間よりもはるかにエイリアンの方が「種の繁栄のためなら殺生も仕方ない」状況にあるのです。
私は「人が食事のために他の動物の命を頂くのは仕方ない」と思うタイプでありお肉も食べるので、シリーズ内でエイリアンがあそこまで憎まれて嫌われるのは不平等に感じました。
「エイリアンに生き延びられたら人間が滅亡しちゃうから倒すしかない」というのは分かるのですが、そんなボロクソに悪口まで言わんでも…と思います。
エイリアンには悪意はないですよね。どっちかというと人間の悪意の方がよく描写されている作品だと思います。人同士の問題をなんとかできてないからエイリアンを巻き込んだ騙し合いや利用し合いが始まって人が亡くなっているのに、ただ本能のままに生きるしかないエイリアンがひたすらに嫌われてなかなか世知辛い話だと思いました。
