人の悩み相談に乗るってすごく難しいことですよね!
話を聞き、相手の価値観と自分の価値観の双方を踏まえて「こうしてみたら?」とアドバイスすると、なぜか相手から怒られて「ええ〜!結局共感してほしかっただけ!?」や「もう自分の中でほしい意見が決まってるんじゃん!」と思ったり、
「分かった分かった。じゃあ次は相手に委ねてみよう」と思い、別の人に「あなたが選んだらいいんだよ」と伝えたら「そんなんじゃ迷いが晴れないんですが…」という顔をされて「いや、委ねられたら困るんかい!」と思ったり…。
みんな何を求めてるの!?
何が正解なの!?
何を言ってあげればいいの!?
ということがなかなか掴めない、難しい世界だと思います。
そして私は気づきました!
悩んでいる状態とは自分の意見に自信を持つことができていない状態のことであり、悩みが晴れるということは自分の意見に自信を持てる状態になることなんだ、ということに!
悩んでいる人が求めていることは、実は他人のやり方で問題を今すぐ解決することではないんです。本人が焦っているとこちらも焦ってきますが、本当はスピード勝負の話ではないようなんです。
本人が「本当にこれでいいのか…?」や「こんな気がするんだけどどうなのか…?」となんとなーく思っていたり思っていなかったりするような、かたちが曖昧になってしまっている意志を整理して「私はこう思っているんだ」という形を作り「それでいいんだ」と納得できる状態になることを求めているんだと思います。
悩んでいるということは、複数の手段や選択肢のメリットとデメリットをそれぞれ理解している状態にあるということです。ですので悩んでいる人にこれ以上何かを理解させようとする必要はありません。逆に情報を与えすぎることで余計に本人の意志が曖昧になり悩みが深まる場合もあります。
まずは本人がどうありたいのかを理解する必要があります。この人はこうありたいんだというシンプルな意志が理解できたら、それに対して「それでいい」と伝えるために外部の情報を活用したらいいんです。「こんな人もいるからあなたもそれでいいと思うよ」や「私はそれはアリだと思う」あるいは「こういうデータがあるからあなたもきっと大丈夫だよ」という使い方です。
まず先にやることは、本人の外の世界を根拠とした情報を増やすことではなく、本人の中にある気持ちや意志を理解し「つまりこういうことだよね」と気づきまとめることなんだと思います。まず内側の要望をしっかり整理しシンプルな形に落とし込むことで、初めてその意志が外の世界と合うかどうかや、合わないとしたらどんなふうに調整していく必要があるかといった外部との関わり方の話ができるんですね。
中には外部との調整が不必要な場合もあります。ただそういうときでも、本人の内側の意志に気づいただけでは「とはいえ本当にそれでいいのか」という迷いが残ります。その次の「はい、それでいいですよ。とりあえずまずはそれでやってみましょう」と伝える段階において、聞き手の考えや価値観、客観的な情報などを入れ込んでいくと本人の自信に繋がりやすくなるのでしょうね。
たまに「それはさすがにそれでいいとは言えないな!?」と思う悩みを持っている方もいらっしゃいますが、そういう方でも「これではよくない」という自覚があるからこそ悩んでいるんですよね。気持ちがぐちゃぐちゃになっているので一時的に言動もぐちゃぐちゃになっているだけで、結局よくよく話を聞いて整理していくと「それでいいじゃん!」と思えるところに落ち着いていけることが多いです。
本当に「それでいい」と1ミリも言える状態にないようなとことんマズい人って、実は全然悩んでないんです。
ひとつの「それはナシやろ」な道を盲信しちゃってるわけですから、本人は悩んでいないですし周りにも相談しないんですよ。一人で決めてしまって一人で突っ走って一人でやらかしちゃうんです。こういうときはいざ失敗してから悩み始めます。
悩んで悩んで外部に気持ちをポロポロと話している方は、色んな選択肢のメリットとデメリットを理解した上できちんと比較し、どうしても決めきれない状態にあるからこそ悩んでいるので、実は悩んでいる状態を含めちゃんと正解ルートに乗っていますし、答えも本当は既に本人の中に存在しています。
あとは本人が腑に落ちたらいいだけ、「今はこれを信じよう」というものが絞れたらいいだけなんですよね。
だから悩みを聞く側は「友達の部屋の掃除と模様替えを手伝う」みたいな感覚でいるといいのかなと思います。
友達の部屋がゴッチャゴチャになっていて困っているとします。まずは掃除をする必要があるので、本人に「これいる?いらない?」と聞きながら不用品を捨てていき、残った必要なものを整理整頓しますよね。それがきちんとできると、次は「こういう雰囲気の部屋を目指したいな〜」というものが見えてくると思いますので、その部屋を目指すために新たに必要なものがあれば購入し「よし、これで素敵な部屋になったね!」という状態になれたら終わり、というような段階を踏んでいくかと思います。
友達が「今の部屋だと不満だな、変えたいな」と思ってとりあえず部屋の掃除と模様替えをしようというときに「え!日当たり悪くない?引っ越した方がいいよ〜」や「パソコンデスクないの!?それじゃ姿勢が悪くなるってデータがあるよ!パソコンデスク買いな!」というように、別に本人が気にしていないところや求めていないところまで「一般的に言うとその方がいいから」という理由でごちゃごちゃ提案すると余計に整理整頓から話が遠のきますし、「私はガーリーな部屋が好きだからあなたもガーリーにすべきだと思う!」と言い出すのもおかしいですよね。
友達の部屋の住民はあくまで友達であり、友達が住みやすい形に整理して友達が求めるテイストを目指すべきだと思います。それで結局行き着いた先が「自分から見るとまだ不用品が多すぎるように見えるし、自分から見るとそんなにセンスのない部屋」になったとしても、本人がそれでなんとかなるならまあいいかと感じるでしょう。
人の悩みを聞く時も、同じくらいの感覚でいいんだろうなと思いました。